コラム

COLUMN

昭和29年 大雪の京都 若年性認知症と闘った父の思い出とともに みんなのお宝写真館(27)

観測史上最大の積雪41センチを記録した日の京都駅前停留所=1954年1月26日

市電の屋根に降り積もった大雪。
昭和20年代の京都駅前の珍しい光景を収めたアルバムが当サービスに寄せられた。
このアルバムには、若年性認知症と向き合った家族の思い出も詰まっていた。

アルバムの持ち主は、京都市下京区の熊田泰子さん(64)。
この大雪の写真は、父の伊藤俊二さんが、市電の京都駅前停留所で撮影した。
同市中京区で観測史上最大の積雪41センチを記録した、1954(昭和29)年1月26日の朝の模様だ。
この日の積雪記録は66年たった今も破られていない。

俊二さんは1928(昭和3)年生まれ。自宅の暗室で現像するほどの写真愛好家だった。
特に鉄道写真が好きで、京都市電をよく撮影していた。
しかし、市電は78年9月に廃止された。

その数年後、俊二さんは50代前半で若年性認知症を発症する。
当初は診断を受け入れなかった俊二さん。
しかし、妻清子さんとともに、80年に発足したばかりの、当事者とその家族が集まる会に参加。支援を受けるようになった。

その会は、のちに公益社団法人「認知症の人と家族の会」(本部・同市上京区)となり、現在は全国に1万人以上の会員がいる。

同会の草創期を知る京都府支部副代表の山添洋子さん(75)は、
「当時、まだ若年性認知症は広く知られておらず、偏見もある中で、清子さんが実名で取材に応じていたのを覚えている」
と話す。
清子さんは、俊二さんが92年に他界してからも、しばらく会での活動を続け、2012年に亡くなった。

熊田さんは、そんな両親の思い出が詰まったアルバム7冊をデジタル化した。
画像データにすれば、妹と弟に同じものを複製して渡せるからだ。
改めて両親のアルバムを見返した熊田さん。
闘病の苦労がしのばれる写真もある一方で、自分たち子どもへの深い愛情が込められた写真が多いことに気づいたという。
「改めて両親には感謝の気持ちでいっぱいです」

同じ日の国鉄京都駅前広場

 

俊二さんが1960年代前半に撮影した、時代祭の行列と京都市電。烏丸御池の交差点付近のビルから、烏丸通り方面を撮ったものと考えられる。

 

1963年に俊二さんが長女の熊田泰子さんを撮った写真。この年、名神高速が国内初の高速道路として開業。自動車の形をした枠を自作して、俊二さんが焼き付けたという。

 

伊藤俊二さん(右)と妻・清子さん。既に症状が進行していた80年代に夫婦で旅行したときの1コマ=福島県の尾瀬ケ原・長蔵小屋で。

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