コラム

COLUMN

キャリアの原点は50年前のテレビ局 夢が詰まった修業時代 みんなのお宝写真館(28) 

素材の造花に囲まれ自宅で作業する滝さん。徹夜仕事になることもあったという=1970年頃

 

あの大女優の姿もアルバムに

長年にわたりフラワーデザイナーとして活動してきた、名古屋市千種区の滝公子さん(72)。
アルバムには、キャリアの原点となる50年前のテレビ局での仕事が収められていた。

大阪市旭区出身の滝さんは、短大生時代にフラワースクールに通い、卒業後に1年ほどOLをした後、念願の花屋に転職。
その店は朝日放送(現朝日放送テレビ、同市福島区)の装花を担当しており、滝さんは1970~71年に同社ロビーやスタジオで花を飾った。

アルバムには、鮮やかで存在感のあるロビー用の作品のほか、バラエティー番組「シャボン玉寄席」「ただいま恋愛中」のスタジオ装花の写真が並ぶ。
その中に、ウェディングドレス姿の女性の写真があった。俳優の吉永小百合さんだ。手にしているブーケを滝さんが作った。

朝日放送テレビによると、吉永さんは71年に放送されたドラマ「白雪姫と7人の悪党たち」に主演していた。
吉永さんのイメージから、白いシャクヤクを使ったという滝さん。
「私の作ったブーケを大スターの小百合さんが持ってくれるんですから、それはもう感激でしたよ」

同じアルバムには、百貨店の催事場の装花の写真も収められていた。
この時期、複数の仕事を昼夜で掛け持ちし、寝る間も惜しんで働いていた。米国留学の夢をかなえるためだ。
「朝日放送での仕事は本当に面白かった。でも、この道を究めるには世界に出て行くしかないと思ったんです」

このときの蓄えをもとに、滝さんは71年夏、単身渡米する。23歳のときだ。

まずシカゴのフラワースクールで勉強した後、ロサンゼルスのビバリーヒルズにある花屋で実地研修を積んだ。
採用の決め手になったのが、持参したアルバムだった。
大阪での作品を見せることで「お稽古ごとではなく、仕事で花をやってきたというのが理解してもらえました」。
場所柄、セレブの集う大きなパーティーの仕事も多く、すべてが貴重な体験となった。ビザの期限まで1年間を米国で過ごした。

帰国後、結婚して名古屋市に移り住み、子育てが一段落してから仕事を再開した。
87年にフラワースクールを併設したブティックを開業。
89年には、同市で開かれた世界デザイン博覧会に、約50人の教え子と制作した巨大なフラワーアートを出品し、注目を集めた。

10年ほど前に仕事の第一線を退いた滝さん。キャリアの原点となった大阪での修業時代をこう振り返る。
「頑張れたのは、夢があったから。精いっぱい努力していれば、応援してくれる人が必ず出てくる。今の若い人も、夢を持って世界へ飛び立ってほしい」

滝さんが朝日放送ロビーに飾った作品。ユリ、小菊、ショウブなどを使った=1970年

 

朝日放送のバラエティー番組「ただいま恋愛中」のスタジオ。中央のテーブルの装花を滝さんが制作した=1971年

 

米国での研修中、船上パーティーでランの花を使った「ヘッドドレス」を作った滝さん(右から2人目)=1972年

 
(この写真をもとにした記事が、2020年3月12日付朝日新聞夕刊に掲載されました)

WEBお申し込みで基本料金無料

最短5分!かんたん4ステップ

Webからお申し込み

資料請求・お問い合わせも
受け付けております。

お電話からお申し込み

東京

03-6868-8255

大阪

06-7878-6588
平日 10:00~17:00
(土・日・祝日・年末年始を除く)

カンタン! 料金シミュレーション