コラム

COLUMN

浜辺でじゃれあう女性たちに迫る戦争の影 みんなのお宝写真館(3)

中国・青島の「忠の海」海水浴場 1937年ごろ撮影

平和な光景が一転 1930年代の中国・青島

「みんなのお宝写真館」(2)でも紹介した大阪府吹田市の松下勝一さん。亡き父・勝副(よしすけ)さんはカメラが趣味で、自宅で現像もしていたという。その父から引き継いだアルバムの中には、戦前の中国で撮影されたものも多く残されていた。

勝副さんは、戦前、紡績会社の「内外綿」に勤務していた。当時、同社は中国での生産を拡大中で、勝副さんは青島(チンタオ)に赴任した。その青島駐在時の1937年ごろに撮影されたものに、印象的な写真があった。

同市の「忠の海(ただのうみ)海水浴場」で撮影されたもので、西洋人の若い女性2人が浜辺でじゃれあっている様子を収めていた。このほか、海岸を一望できる展望台のような場所から撮影したものもある。

しかし、こうした平和な光景は一転し、その後の写真は戦時色が強いものになっていく。

同年に勃発した日中戦争で、内外綿の工場も爆撃の被害を受けた。勝副さんの残したアルバムには、焼け落ちた工場の写真約20枚が残されていた。勝副さんはその後召集され、青島で終戦を迎える。帰国後は大阪府庁に勤務し、2009年に95歳で亡くなった。

これらの写真を整理する中で、戦争を身近な出来事として考えるようになったという松下さん。「私は戦後生まれなので、あの戦争を第三者的に見るところもあった。しかし、父の写真を見て、急にリアルなものに感じられた」

松下さんは、こうした父の記憶を、子や孫の世代にもきちんと伝えていきたいと話している。

爆撃で焼け落ちた「内外綿」の青島工場。1937年撮影

(この写真をもとにした記事が、2019年8月16日付朝日新聞朝刊(大阪版)に掲載されました)

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