コラム

COLUMN

2020/01/08

写真がもたらす自己肯定感 親野智可等先生に聞く「ほめ写」プロジェクト(1)子どものほめ方のコツとは

写真整理協会・浅川純子理事がインタビュー

新たに当コラム欄で始まりました、一般社団法人写真整理協会理事・浅川純子さんによる対談シリーズ!
その記念すべき第1回のゲストは、教育評論家の親野智可等(おやの・ちから)先生です。

親野先生は「子どもの自己肯定感向上に、写真の力を役立てよう」を合言葉に、子どもの頑張っている姿、家族と一緒にいるところ、笑顔の素敵な写真などを部屋に飾って、それを見ながら子どもをほめて育てる「ほめ写」という子育て習慣を提唱しています。

この「ほめ写」プロジェクトのリーダーを務める親野先生に、写真の持つ力や可能性について、浅川理事が聞きました。
その模様を、全3回のコラムでお届けします!

子どもにとっての自己肯定感の大切さ

浅川) いつも講演では、どんなお話から始められるのですか?

親野) 講演では、静岡県で23年間小学校の教壇に立ってきた私の経験に基づいたお話をしています。
教師として毎日の授業や生活指導をしていて、どんどん伸びていく子は自己肯定感が高いなと感じるようになったんです。運動会など学校のイベントや、理科の実験をするとき、極端に2つの反応に分かれます。「難しそう」「できない」という子たちと、「面白そう」「やってみたい」という子たち。

自己肯定感があるかないかは、子どもの伸び方に決定的な影響があり、それが子どものやる気に結びついていると気が付きました。
ではどうしたら自己肯定感が育つのか。まず、生まれつきポジティブでプラス思考の子どもがいます。そして、育っていく環境、特に親の言葉が子どもに与える影響が大きいなと思いました。親が否定的に「また片付けをしていないの、ダメじゃない」「勉強やってないじゃない、いつやるの?」など、「〇〇していない」とか「〇〇してはダメ」とか言っていると、子どもは自分をダメだと思ってしまうものです。講演では、否定的に叱る言葉を極力やめて、ほめることが大事だという話をしています。

教育評論家・親野智可等さん

 

ほめ方のコツは、「部分」と「場面」に注目すること

浅川) そうですか。子どものほめ方について、コツやポイントはありますか?

親野) すぐできるのは、「部分に注目する」ことです。書き取り帳を見たとき、「書き直しだよ」と言ってしまうとよくない。書き取り帳だと1ページに80文字くらい入るので、偶然上手な字があるんです。「この『空』という字、うまいね。この『道』もうまい。この右払いがカッコイイ」と、部分に注目してほめてあげることです。順番も大事で、直させたいときは、たくさんほめた後で「ここを直そう」と伝えれば、子どもは応じてくれます。

次に、「場面に注目する」ようにします。兄弟が仲良くしてほしい時に、「もっと仲良くしなきゃダメじゃない」と叱るところから入ると、否定的なイメージができてしまい、実際に仲が悪くなる可能性が高まります。2人で並んでテレビを見ている時に、「あなたたち仲がいいわねぇ」とほめます。
また、がんばっているときに「お風呂洗いしてくれて助かるよ」、しっかりできたときに「上手に書けたね」など、「がんばっている過程」と「達成の瞬間」の2つをほめることが大事です。
このように講演では、子どもにとって大切な自己肯定感を育むために、しっかりほめて育てましょうとお話しています。

ほめ写の元になったエピソード

浅川) はじめから核心をついた興味深いお話ですね。その後どんな展開をするのでしょうか?

親野) 後半では、写真をうまく活用することが、自己肯定感を高めるのに効果があることを説明します。言葉でほめるだけでなく、写真を使うとそこに証拠ができるわけです。

私が教師になった最初の年に3年生の担任をしました。ある日家庭訪問があり、女の子の家の玄関を開けると写真がたくさん貼ってありました。親子の写真が並ぶ中で、特に父親と一緒に遊んでいる写真がたくさんありました。その子のお父さんは遠洋航路の船乗りで、家を出ると半年くらい帰れない生活だったそうです。その子は玄関を出入りするたびにその写真を見るわけです。「私には私を愛してくれているお父さんとお母さんがいる」という気持ちをかみしめるわけですよね。本当にポジティブで気立てのいい子でした。ほかにも細かい話はたくさんありますが、写真の効果は非常に大きいものだと、自分の体験を通して思うようになりました。

スマホで扱う現代写真の特徴と問題点

浅川) 最近ではスマホの登場によって、写真の形が大きく変化していますよね。

親野) その通りですね。お父さんもお母さんもスマホでいっぱい写真を撮っていますが、親子関係をよくするためにもっと活用して欲しいと思います。
これだと思った写真は、「繰り返し見る」ことが、とても大事です。縄跳びを飛べた時の写真を、玄関やリビングに貼っておきます。「なかなか飛べなかったけれど、あきらめずにがんばった」と何度も目にすることで、はじめて沸き上がってくる感情があるのです。

浅川) そのお話もとてもわかる気がします。スマホは気楽に撮れるのはいいのですが、写真の価値を大きく変化させています。日常の光景や家族の記録だけでなく、メモ書きなども撮影するので中身が混在しています。また、写真を撮り過ぎているために写真を意外と見ておらず、自分の赤ちゃんの時の写真を見ても、それが自分だとわからない子が珍しくないんです。

親野) え?自分の小さいときの写真を自分だとわからない子がいるの?

一般社団法人写真整理協会理事・浅川純子さん(右)

浅川) そうなんです。あるお母さんが子どもに写真を見せてみたら自分だとわからなかったと、とてもショックを受けていました。

親野) 昔はアルバムがあったから、家族みんなで写真を見ていましたよね。

浅川) 今、家族写真の共有の場がない家庭が多いのです。特に子どもはスマホを持っていないので、自分の写真をほとんど見ていないし、たとえ見ていても記憶に残っていないんです。

親野) それはさみしいですねぇ。

浅川) 老後の楽しみといいながら残している人もいますが、実は紙焼き写真はしまいっぱなし、デジタル写真は撮りっぱなし、どちらも「見る」という本来の目的が忘れられているように思えるのです。
撮る目的は、SNSへの投稿、旅行の写真を友達に共有したりするのがメインのようです。何か大きな災害などが起きると、家族が大事だと気づいて、家族の写真を探したりするのですが、日ごろはその思いを実感する機会が少なくなっているように思います。

親野) それはもったいないことです。写真には大きな利用法があるのに、なかなか愛情の体験にまで落とし込めていないかもしれませんね。

 

ということで、第1回はここまで…。
次回は、子どものためだけでない、家族みんなのための「ほめ写」をテーマに、お二人の話がさらに深まっていきます。ご期待ください!

→親野智可等先生に聞く「ほめ写」プロジェクト(2)「家族みんなのために」はこちら

なお、「ほめ写」プロジェクトのwebサイトに、「ほめ辞典」が掲載されています。0歳~3歳、4~6歳、、、中学の終わりまで、年代別にどういうほめ方が効果的なのか、実際のママの生の声と親野先生の言葉が具体的にまとめてあります。ぜひ参考にしてください!

浅川さんが理事を務める一般社団法人写真整理協会は、オプションサービスの「写真整理お手伝いプラン」でニッポン写真遺産と提携しています。こちらのコラムもどうぞご覧ください!

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